学生のみなさんは、やっと夏休みに入った方が多いのではないでしょうか?
今年は新型コロナウイルスの影響で、例年に比べてスタートの遅い夏休みとなりました。
ところで、教員の方は夏休みどのように過ごしているかご存知でしょうか?
教員にとって夏休みは、確かにいつもより休めますが、学生と同じような休みがあるわけではありません。
今回はそんな教員の夏休みの過ごし方についてお話したいと思います。
教員に夏休みはある?
結論からいいますと、教員にとって夏休みは結構嬉しいです。
実際に休みが取れますし、授業がない分余裕をもって過ごすことができます。
授業がないということは例えば、今日は午前のみ出勤して午後から有給休暇をとって帰ることもできます。通常の営業日であれば授業があるのに休んでしまうと、自習監督が必要になって、他の先生に迷惑がかかりますよね。
午前出勤や午後出勤のように半日勤務で終わることもできますので、そういった意味では夏休みは融通が利き、教員にとっては嬉しい期間でもあります。
世間一般の方からすると何だかズルイように感じませんか?
夏休みがある教員はズルイ?
そのように感じる方が多いかもしれません。
しかし実際は、教員は常に超過勤務を強いられている状況です。
例えば、中学校であれば毎日6時間授業を行い、その後に部活動や会議をします。
授業が終わるのは16時頃、その後の部活動や会議で終わる時間は17時を過ぎます。長い時は18時、19時になることもあります。
17時の時点で勤務時間は終わっていますので、後は一般企業でいう残業時間になります。
ちなみに教員に残業手当は存在しません!
そして、部活動や会議が終わった後、担任の先生であれば生徒の家庭に連絡をしたり、教室整備をしたり、会議の準備をしたりします。その後、忘れてはいけないのが明日の授業で使う教材の研究です。
そうすると、帰宅時間が20時、21時となってしまいます。
ほぼ毎日2、3時間の残業を強いられている先生方、私の周りにも月の時間外勤務時間が60時間を超えている先生も多くいました。
ちなみに最近は土曜日も授業を行っている学校がありますが、土曜日は基本的に教員にとっては休日扱いになるので、ここでの振り替え休日を夏休みなどの長期休暇に取ることもできます。
そう考えると夏休みぐらい少しゆっくりしてもいいのではと思ってしまいます。
しかし、夏休みは教員も遊んでいるわけではありません。ゆっくり余裕を持って過ごせますが、やるべきことはたくさんあります。
教員の夏休みの過ごし方
では、どのように過ごしているのか見ていきたいと思います。
①教材研究
夏休みに教員がやるべき仕事の1つとして教材研究が挙げられます。
普段は毎日の授業や部活動、会議に追われて中々ゆっくり教材研究ができないので、夏休みにゆっくり時間をかけることができます。
板書計画や授業用プリント、テストを作りなど、やることはたくさんあります。
ここでしっかり準備をしておけば、2学期のスタートは少し余裕を持つことができますね。
②部活動の指導
中学や高校であれば毎日のように部活動の練習があります。夏休みは1日中グラウンドや体育館が使えますので、しっかり練習することができます。
運動部の部活動では1日をいくつかの部活動で割り当てるので、大体2時間から3時間ぐらいは練習します。
もちろん練習だけではなく、大会もあります。その際は引率が伴って疲れますが、大会で良い結果を残すことができれば、顧問としても生徒を指導してきて良かったと嬉しい気持ちになります。
また、小学校ではプールの補習や学童の運営などを行っている学校もあります。
部活動に関してはこちらの記事もご覧ください。
③補習授業
1学期での成績を参考に、成績が良くなかった生徒に対して補習授業を行うこともあります。よくあるのは数学や英語の2教科で、理由はどちらも積み重ねが必須の教科であるからです。
対象者を呼んで、プリント学習や夏休みの宿題を一緒に考えるスタイルが多いですが、中には自習教室を作って、誰でも参加できる自由な教室を提供する学校もあります。
④教職員研修
夏休みで忘れてはならないのが研修です。
これは学校によって様々で規模も違いますが、多い学校だと10回程度研修を行う学校もあります。
内容は、授業づくり、生徒指導、学校運営など様々で、私が経験した研修で印象に残っているのは一般企業で取り入れられている電話や接客対応に対する研修です。
教員は一般企業経験者が少ないため、そういった基本的な内容については疎い方が多いです。
電話対応や保護者対応時のマナーや意識することを学べたことは良かったと思います。
研修1本辺りの時間は2時間程度で、長い時は半日になることもあります。
また、学校独自に行う研修以外に、自分で外部の研修に応募して参加するものもあります。そういえば、私の友人は企業研修に参加していました。大手企業に3日間参加するもので、事前研修や事後研修、レポート提出などがあり大変そうですが、普段できないようなことを体験できますので、非常に勉強になったと言っていました。
教員による職場体験学習のようなイメージですね
⑤各種会議
夏休みには各分掌の会議や教科会議、職員会議も行われます。
主に2学期に向けての準備になりますが、例えば体育大会や文化祭などの行事に関しての内容を詰めていきます。
このような会議や研修は夏休みの前半と後半に集中して行われることが多くなっています。
⑥家庭訪問
最近はどの学校にも不登校になってしまう生徒が一定数います。
家庭の事情や友人関係、学校生活の不適応など理由は様々ですが、担任の先生は夏休みに時間をかけて家庭訪問を行ったり、生徒が少ない学校に登校させたりして対応を行っています。
夏休みのコンタクトがきっかけになって、2学期から登校できた生徒もいますので、丁寧な対応が必要になってきます。
⑦環境整備
私の学校では毎年やっていましたが、夏休みの時間があるときに教室を中止とした安全点検を行ったり、職員室の片付けを行ったりしていました。
学校には校務員や学校管理人と呼ばれる方が常時勤務されています。普段はその方が学校内の修繕を行っていますが、夏休みでは教職員全員で学校をキレイにするために環境整備をすることもあります。
さいごに
教員の夏休みの過ごし方についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?
こうして考えるとやることが多過ぎで、ほとんど休みがないように感じてしまいますが、実際はやはり授業が無い分、余裕があります。
例えば今日は15時まで働いて2時間有給休暇を取ったり、午前中は休みにして子どもと遊んだりなど融通が利きます。
普段帰る時間が非常に遅く、土日も休日返上で部活動に取り組む教員の方々、こんなときぐらいゆっくり過ごしてほしいですよね。
今年は新型コロナウイルスの影響で短い夏休みですが、少しでもリフレッシュして2学期に臨んでほしいなと思います。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。